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2008年12月10日 (水)

過払金返還請求権の消滅時効

 過払金返還請求訴訟をご自分でされている方が多いようです。簡裁では弁護士や司法書士に代理人を頼む方法、書類作成を頼む方法、全て自分自身でやる方法とあります。自分でやる場合に、弁護士でも司法書士でもない人に報酬を払って裁判書類を作ってもらうと弁護士法に違反する恐れがありますので、くれぐれもご注意ください!

 さて、ある日、ある時、原告席に座られたある方が、被告信販会社から取引の分断と第1取引における過払金の時効消滅を主張されておりました。平成6年にいったん完済し、平成9年に再び借り入れたようです。裁判官は、「被告(信販会社)は時効を主張しているのですが、どういう意味かわかりますか?」と、丁寧に原告に尋ねておりました。

 私は、契約の個数に関係なく一連充当計算をすべきであるという当然充当説を支持していますが、最近の最高裁は契約ごとの分断計算を支持し、別契約であっても一連性があると認められるときに例外的に一連計算を認めているように思えます。

 信販会社の場合、一度クレジットカードを作る際に契約書に記入し、キャッシング後の弁済は銀行口座から引落というケースが多いと思います。カードも自動更新です。たとえ空白期間(債務を完済した状態)があったとしても、一連の取引の中でたまたま残高がゼロになっただけであって、3年後に改めてクレジットカード契約を締結したのではないという場合が多いのではないでしょうか。こういう場合は基本契約が一つなので最高裁の考え方を当てはめても一連計算をすべきだと考えます。一連計算をすれば、第1取引終了時の過払金は第2取引の最初の貸付金の弁済として充当されるので、普通の場合は時効の問題は起きません。

 この辺りのことを丁寧に主張していけば、信販会社の時効消滅の主張はほとんど打ち破れると思います。(桐)

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