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2020年3月26日 (木)

職務上請求書と生活保護

 2020年3月26日(木)、おつかれさまです。

 東京都で新規に判明した感染者数は、25日の41名を超えて今日は47名。感染爆発(オーバーシュート)が徐々に現実味を帯びてきました。

 ところで、話は変わって、生活保護受給者の戸籍・住民票の請求に職務上請求書を使うべきか否かについて、若干のお願いです。

 今日、依頼者の住民票を請求するにあたり、生活保護受給証明書を添付して職務上請求書を使用したところ、窓口職員が本庁に問い合わせて、いったんは請求手数料を無料にしてくれました。

 その後、事務所に電話がかかってきて、「職務上請求書を使用する場合は請求手数料を有料」とのこと。結局、事務員さんが支所まで300円を支払いに行ってくれました。

 職務上請求は、法的には第三者請求の一種で、請求者はあくまで職務で請求する士業者であって本人等請求とは異なります。受給者自身の請求ではないので負担を軽減する必要はない、という理屈になるのだと思います。

 でも、結局、士業者は、戸籍や住民票請求手数料を依頼者に請求します。受給者の負担となることは変わりなく、職務上請求の利用は単なる手段にすぎません。

 我々司法書士が受給者の住民票を請求する場面として、所有権移転登記で不動産を取得する場合の住所証明書として利用する、住所移転の変更証明書として使用する、自身の申立てで保佐や補助開始を申し立てる際の添付書類とする等が考えられます。

 受給者が依頼者である場合は多く、費用の負担者でもあるのですから、その実質を見て職務上請求書使用の場合でも無料にしていいという取扱はありえませんか。

 依頼者が受給者である場合は、証明書の写し等を添付して、職務上請求で無料でできるという取扱にぜひしてもらいたい。

 ご本人から委任をもらえばいいのですが、現実には入院していたり、高齢で字が書けなかったり、自家用車の利用が禁止されているので事務所まで容易に来られなかったりするわけです。

 前述のとおり職務上請求と委任による本人等請求は、形式的には請求者は異なりますが、実質的な請求者はいずれも受給者自身なので、ぜひ無料化をお願いしたい、という提案でした。ご検討ください。(桐)

 

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