携帯会社はもっと臨機応変に
2023年7月26日(水)、おつかれさまです。今日は一番暑かったんじゃないですかね。アスファルトの上を歩くのがしんどいです。
さて、業務日誌です。
携帯電話業者の法律事務所から "「法的措置移行」予告通知" なるものが、私宛に届きました。携帯電話料金の督促です。
法律事務所の封筒で、法律事務所名義の文書ですが、まず違和感を感じたのは、法律事務所の名義ではあるけれど、担当の弁護士の名前がないこと。弁護士事務所の電話番号も書かれていません。
連絡先として記載されていた電話番号は、法律事務所ではなく携帯電話業者の料金センターでした。
読んでみると、現に法律事務所に回収業務が委託されているのではなく、払わないとこれから法律事務所に委託されて「貴殿の財産に対する回収手続が実施されることになります」という内容でした。
なるほど、法律事務所に委託しているわけではなく、法律事務所の名義を借りた請求ですから、低コストで回収率を上げられるのかもしれませんね。「虎の威を借りた狐」の請求というと語弊があるでしょうか。
やり方に感心しましたが、逆に「やれるもんならやってみ!」と言いたくもなりました。というのは・・・
実は、私が料金を払ってなかったわけじゃありません。被後見人が携帯電話を被後見人名義で契約して、後見人の私を請求先として登録をしていたところ、契約者(被後見人)が亡くなった事案です。
解約日まで料金が発生するのはやむをえません。料金センターに電話して、請求コード、契約者名、契約者の死亡日、解約日付等を伝えると、オペレーターさんが調べてくれて「成年後見人の登録があります」「契約者の『ご逝去に基づく解約』との記録があります」とのこと。
ショップで解約した際に、「債務超過のため相続人が相続放棄して相続人不存在となる見込みで、未払料金については払えません」と申し出ていたのですが、そういうことは料金センターには伝わっていなかったようです。
オペレーターは、「亡くなったらショップだけでなく料金センターにも連絡してもらわないといけない」と、それが当たり前のように言うのですが、そんな話は聞いておりません。
成年後見人の登録があることも、請求先が成年後見人であることも、亡くなって解約されたことも、料金センターで把握しているじゃないですかと申し上げたら、「お客様から料金センターに連絡をいただかないと、そもそもデータにアクセスしませんから」「ショップは事務処理をするだけで、ショップにおっしゃっても料金センターにはわかりません」。
いやいや、ショップからの解約情報は料金センターでも見れるのだから、料金に関わる情報であればフラグとかつけて優先的にチェックすべきじゃないの? いろいろしつこくオペレーターさんに言ってしまいました。
オペレーターさんに、唯一の相続人が相続放棄した事実を伝え、申述受理証明書の写しがあるから提供しましょうかと申し出たところ、「桐様は相続人の代理人ではないので、相続人から直接連絡をいただきたい」とのこと。
いやいや、そもそも相続人は関わり合いになりたくないから相続放棄を申述したわけで、そもそも申述受理されれば最初から相続人でなかったことになるわけで、だから携帯電話会社に連絡をとる義務なんてないでしょう。債権者側が自らコストを負担して相続人を調査すべきです。
私の立場では、相続放棄をした遠方でご高齢のごきょうだいに、「携帯電話会社に連絡してください」なんて言えません。電話でどうやって本人確認するのか知りませんが。
相続人の代理人であるかどうかが問題なのではなく、契約者の元後見人として情報提供をしているのであるから、その蓋然性の高い情報に基づいて、回収困難事案として処理すればいいんじゃないでしょうか。
私はそう思うのですが、相続人から電話連絡があるまで、私宛に請求書を送り続けざるをえないそうです。紙とエネルギーの無駄です。もう少し臨機応変でもいいんじゃないですかね。せっかく電話で情報提供したのに、なんだか馬鹿馬鹿しくなりました。(桐)
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コメント
これはひどい。あきれて物が言えないですね。
この会社は債務整理の受任通知に対しても
破産の場合は債権調査には応じない旨の回答をしてきます。
常識が通じない会社ですね。
投稿: オレンジ | 2023年7月27日 (木) 10時04分
おつかれさまです。
なんか侘びしいですよね。
こっちとしては相手に無駄な仕事をさせないように親切のつもりで連絡しているんですけど。
あまりにも杓子定規な対応に唖然としてしまいます。
債務整理を受任したのが司法書士だと、代理権がないのだから破産の債権調査票は出さないということですよね。
どっかの〇〇保証協会みたいに、「先生には代理権がないから送れないんで、ご本人宛に送りますから」って電話くれるぐらいの配慮が欲しいですよね。
世の中そういう気遣いで回っている部分もあると思うのです。
投稿: 桐 | 2023年7月27日 (木) 23時34分