保安林1筆のために・・・
2024年9月2日(月)、おつかれさまです。
相変わらず暑い日が続きますが、今日から9月です。時が経つのは本当に早いもので、2024年ももうあと4か月になりました。抱えている案件を少しでも減らすよう、がんばりましょう。
さて、業務日誌です。
相続登記の依頼を受けて18か月かかって完了し、本日登記済を依頼者に引渡しました。発端は国土交通省からの1通の手紙。西日本豪雨被害を受けての高梁川の改修工事の過程で、相続登記未了の保安林の存在が明らかになり、相続登記をするようにとのこと。
依頼者から遡って被相続人(曾祖父)の戸籍をとってみると、慶應元年生まれ。相続人の数こそ14人と少なめでしたが、1つの相続関係説明図の中で第14次まで数次相続が発生していました。
戸籍集め自体は機械的な作業なので楽と言えば楽ですが、本件の問題は相続人が特定できた後で、14人のうち3人がなかなか印鑑を押してくれない。手紙を複数回出しても電話をかけても。
依頼者だって、どこにあるかもわからない保安林1筆がほしくて依頼しているわけではありません。印鑑を押さない人がもらってくれればいいのに・・・というのが正直なところ。
印鑑を押さない人の名義にできるってルールはどうかな? 非課税物件で固定資産税の負担はないのだから、物議を醸したパリ五輪柔道団体戦のようにルーレットで決めるとか。
そもそも自治体が非課税物件も固定資産税課税台帳に記載して、納税通知書の土地家屋明細に記載して通知していれば、保安林や墓地や用悪水路の相続漏れは起こらないのに・・・。
依頼者は、たまたま名義人の長男の長男の長男であるという、それだけの偶然で、決して安くはない戸籍請求手数料と登記費用を負担しなければならない。さらには全く付き合いのない親族に頭を下げて印鑑をもらうという精神的な負担もある。
「負動産」の相続は、本当に深刻な社会問題です。本件では、18か月もかかったけど、最終的に全員が協力してくれてなんとかなりました。でも単に相続登記を義務化するってだけじゃなくて、もっと何か合理的な方法を考え出さなきゃいけないような気がします。
おつかれさまでした。(桐)
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