2024年11月27日(水)、おつかれさまです。
昨日書いたリポビタンDをくれる98歳の方ですが、今日の通院介助をうちの事務員さんに代わったところ、事務員さんへのプレゼントはチオビタだったそうです(笑) お気遣い、ありがとうございます。
さて、今日の業務日誌です。
出社時点の予定では、(1)午前中、保佐開始申立1件(3件の遺産分割が必要な事案で、昨晩21時半までがんばって仕上げられませんでした)、(2)午後から被補助人を介助して岡山の病院まで通院同行、(3)夜は懸案になっている明治時代の抵当権の抹消の段取り。
という予定だったのですが、午前9時18分に鳴った病院からの電話で状況が一変しました。亡くなられた方は私の被後見人の夫です。立ち位置はあくまで妻の後見人です。
子どものないご夫婦で県内に頼るべき親戚もなく、妻が認知症を発症し、夫が癌で余命宣告されて、同業の事務所を通じて私に依頼がありました。
依頼の内容は一言でいえば「女房を頼む、後を頼む」。私に回してきた司法書士の助言ですでに公正証書遺言を作成し、妻の後見開始申立書を作成し、私には後見人候補者になってほしいということでした。
公正証書を拝見すると、妻が遺言執行者になっています。被後見人に遺言執行は無理だと思います。指定を受けた者の後見人が本人に代わって遺言執行できるかというと、私は消極論です。
この場合、家裁に遺言執行者選任申立てをするしかないと思うので、遺言執行者の部分だけ自筆で遺言を書き換えてもらいました。検認に時間がかかるけど、死後にそれほど急ぐ案件でもありません。
ところで、病室に駆けつけて仏様のような寝顔を見てふと思った疑問ですが、死亡届は誰の名前で出すべきでしょう。
戸籍法87条 次の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。ただし、順序にかかわらず届出をすることができる。
第一 同居の親族
第二 その他の同居者
第三 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
② 死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人及び任意後見受任者も、これをすることができる。
戸籍法56条 病院、刑事施設その他の公設所で出生があつた場合に、父母が共に届出をすることができないときは、公設所の長又は管理人が、届出をしなければならない。
戸籍法93条 第55条及び第56条の規定は、死亡の届出にこれを準用する。
私は死者の後見人等ではありませんし、親族の後見人は届出義務者ではありません。。遺言執行者や死後事務委任契約受任者は、届出人の資格を有しません。
妻は施設に住所を移しているので、戸籍法87条1項の届出義務者ではないともいえるし、同条2項の「同居の親族以外の親族」にはあたりますが、意思能力を喪失しています。
亡くなったのが私立の病院なので、56条の「公設所」には該当しません。とすると、病院長が87条1項の土地管理人として・・・とか、いろいろ考えるのですが、実際に誰を届出人にしたかは後にするとして、以前にもこんな記事を書いていました。
2017年11月20日 遺言執行者という立場で死後事務
2017年11月21日 死亡届の届出義務者
2020年7月5日 同居人の死亡届
今更ながらですが、7年も前に書いたブログの記事を振り返って復習しているところです。歳をとると頭のキャパに限界があるので、自分のブログが備忘録として助けてくれます。
結論として、妻の後見人という資格では届出はできないけれど、妻自身の名では届出ができるのではないかと考えました。
妻が87条1項の届出義務者にあたるのであれば被後見人の法律上の義務を代理するだけですから問題はないでしょう。同居でないとして2項の届出資格者にあたるとすれば、後見人が代理できるかどうか。
まあ理屈は置いといて、奥さんが届出人として戸籍に載った方がいいですよね。最後はそれかい! と言われそうですが。
しかし、仏様か、お地蔵様か、というような優しいお顔でした。どうぞ安らかにお眠りください。
ちなみに、ちょうど今、上記で紹介した2017年11月の記事の方の件で、事務所で管理していた残置物を処分しているところです。さらに、2020年7月の記事に記載した「同居人」というのが、本日通院介助した被補助人さんです。
経験したすべての事案が巡り巡ってどこかで連なっているような感じがして、とても不思議です。(桐)
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