通算18年のお仕事
2024年11月30日(土)、おつかれさまです。
昨晩はとても疲れていて、夕食後そのまま眠ってしまいました。気がつけば朝。ということで、ブログの更新はお休みでした。
いつもスイトピーをくださる農家さんが、大根と里芋を大量にくださいました。感謝です。事務所のスタッフで分けました。野菜が高いから本当にありがたいです。
さて、話は変わって業務日誌です。
水害後、公費解体で更地にした土地を売却しました。この土地は、個人的にも思い出深いというか、いろんな思いがあります。
元所有者は、平成19年に当事務所にグラサンかけてノンアポで来所された ”遊び人” のおじさん。エピソードはいっぱいあるので、あえて親しみを込めて、"遊び人" と呼ばせていただきます。奥さんは "極道もん" と言っていましたが、それよりはましでしょう。
依頼内容は過払金返還請求。後でご本人から聞いた話ですが、ゴルフ場でたまたま某サラ金の元店長と一緒になって、「そろそろ過払になっとるはずやから、弁護士か司法書士に頼めや」と言われ、その元店長が私の名前を出したのだとか。
サラ金が紹介する司法書士なんてろくなやつじゃなかろうと、他の司法書士に聞き込みをしたら「その人は間違いない」と太鼓判を押されて、半信半疑でうちに来たそうです。
依頼から2か月後にがんで亡くなったのですが、最後の入院の前日にうちの事務所に来て「女房を頼む」と。ご夫婦には子がいません。数か月前に余命宣告された "遊び人" が、自分の死後を頼める法律職を探していたようで、過払金請求はそのお試し期間だったようです。
一応のお眼鏡にかなったようで、精神疾患のある奥さんの保佐人に就任し、根抵当をつけていた悪名高き街金の競売実行にも負けず、家が人手に渡るからと廃屋から連れ出してホームに入所させ、入所してからも被害妄想話の聞き役に徹し、進行してからは後見人となり・・・。
"遊び人" を相続した後に判明した善意の個人債権者と債権放棄の交渉をし、根抵当権抹消のために京都に出かけて交渉し、いろんなことで大変な案件でしたが、一番しんどかったのは、水害後の片付けです。
農家住宅ですから、普通の住宅の片付けとはわけが違います。夏のさなかに、第1弾、第2弾とそれぞれ一週間以上もかけて片付けてくれた、ボランティアの方々にはいくら感謝してもしきれません。
私もうちの事務員さんも一緒にお手伝いしましたが、一番働いた事務員さんが階段から落ちて骨折するという事故もありました。いろんなことがありました。
被後見人が亡くなり、私には何の権限もなくなったのですが、ご近所には理解してもらえず、草刈りをしろと責められ困ったものです。
被後見人の相続人は一度も会ったことがない、おそらく存在さえ知らなかったであろう腹違いの兄弟の子。当然相続放棄を考えますが、ひょっとしたら売れるかもしれないからと、相続の承認又は放棄の期間伸長を申立ててもらい、現れた買受希望者に二度もキャンセルされて、三度目の方でようやく契約が成立しました。
これにて通算18年間の大仕事が終了いたしました。たぶんご夫婦はあの世でも喧嘩ばかりしていると思いますが、一応墓前に報告をしておきたいと思います。
ただ、このような仕事をすると、一つの場所で一つの仕事を長く続けていくことがすごく大事なことだと思う今日この頃です。(桐)
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