大晦日の救急搬送
2024年12月31日(火)、年越しです。今年1年、みなさま、おつかれさまでした。
さて、私の大晦日は、早朝5時26分に特養から電話、8時過ぎに施設の看護師から救急搬送するとの連絡があり、倉敷中央病院へ。
重度認知症の95歳ですから、何があっても不思議ではありません。でも、後見人としては、27日に不動産売買の手付金を受領したばかりで、この後、境界確定と農地法の許可申請も必要で、今亡くなるととてもつらいです。
なぜつらいかというと、それなりの事情があります。
一人息子が自宅で腐乱遺体で発見されました。後見開始申立のための戸籍調査で、息子は3回結婚して3回とも離婚し、元妻にそれぞれ1人ずつ娘がいることが判明しました。
連絡が取れたのは最初の妻の子だけ。この最初の妻が「離婚したけど、お母さんにはよくしてもらったから」と孫を連れて施設まで面会に来てくれました。
孫にしてみれば2歳の時に両親が離婚していて父も祖母も記憶の中にはなく、おばあちゃんも認知症で意思疎通は困難。それでも何回か面会に来てくれました。
あと2人の孫に連絡が取れないと、亡くなっても相続ができない。相続ができないと売れなくなってしまう。しかも。物件はかなりのごみ屋敷ですから、地域住民の片付けろとの要望も強い。でも、売買代金が入らないと片付けられない。
今はとにかく少しでも命が続くように祈るしかありません。もちろん無理な延命はしませんが。
余談ですが、救急の担当医が「後見人には決定権はないので家族に説明したい」と言うので、とりあえず亡息子の元妻とお孫さんに連絡すると一緒に病院まで来てくれました。
孫にしてみれば、2歳のときに別れて30年後に再会し、突然おばあちゃんの治療方針を決めてくれと言われてもちょっと無理ですよね。でも、病院にとってみれば訴訟リスク回避のために家族にはICをしておく必要があります。
家族ってどこまでの範囲を言うのか、そこは明確ではないみたいです。一応、民法877条1項に「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められていますが、この孫におばあちゃんを扶養する義務があるかというと疑問です。
倉敷中央病院の場合、朝に救急搬送されても入院手続が終わる頃には夜になります。お孫さんたちもいつまでもは居れないので、病状説明後、後は後見人に一任するとして帰ってもらいました。
今日の倉敷中央病院の救急外来は、座る席がないほどの超満員で、「待ち時間は、内科系300分、外科系300分、小児科160分」の案内が出ていました。大晦日に働く病院関係者はたいへんだと思います。感謝です。(桐)
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