心身障害者扶養共済制度の手続を通して
2025年3月28日(金)、おつかれさまです。
昨晩の雨で飽浦・宮浦の山火事が収束し、地元の方はほっとされているでしょう。山火事の発生件数が増えていないのに焼失面積は広がっていて、森林の水分を含んだ表土の蓄積が減っていることが要因だそうで、環境対策はこういうところでも必要らしいです。
さて、話は変わって業務日誌です。細かい話ですが、お付き合いください。
心身障害者扶養共済制度というのがあります。障害者の親などの保護者が毎月掛け金を納めて、保護者の死亡や重度障害など万一のことがあった場合に障害者が毎月年金を受け取れる制度です。
都道府県や政令指定都市が条例を定めて実施主体となり、加入者から保険料を集め、独立行政法人福祉医療機構が事業主体から預かった保険料を生命保険会社に支払い、加入者の死亡等によって同法人が保険金を受け取り、その保険金を信託銀行が運用して同法人は年金給付金を受取り、障害者に年金として還元するという少々複雑なスキームです。
施設入所している障害者の親御さんは、施設の勧めもあってか、この制度に加入している方が多いです。最低でも毎月2万円の年金が給付されるので、障害年金だけでは心もとないという親御さんたちにしてみればいい制度なのかもしれません。
当職、司法書士であり行政書士でもあるので、この制度の加入者である親御さんが亡くなったケースで県に提出する書類を作成したのですが、少々が疑問に思うことがありました。
県の担当課から申請書一式と案内が郵送されてくるのですが、その中に、提出する死亡診断書のコピーに医療機関の原本証明をしてもらうことと記載されています。
自分のこれまでの経験から、医療機関が死亡診断書のコピーに原本証明するなんて知らなかったので、作成した医療機関に問い合わせると「そんなことはしたことがない」。そりゃそうでしょう。
そこで、県に問い合わせると、原本証明は不要ではないかという意見は多いと認めたうえで、「独立行政法人福祉医療機構から求められている」のでしかたないとのこと。
次に、福祉医療機構に問い合わせると、「提出先の県や市が原本証明している」とのこと。えっどういうこと? 県は医療機関に証明してもらえといい、それを要求しているとされている福祉医療機構は県に証明してもらえという。
提出先の県ではなく、提出先の「窓口」になる市に聞いてみたところ、「社会福祉事務所長名で原本証明します」とのこと。そりゃそうですよね、死亡診断書の原本は死亡届の際に市の市民課に提出しているわけで、社会福祉事務所長なら原本の確認ができます。
だったら、県からの最初の案内に医療機関云々は書かずに、「必要な原本証明については提出先窓口に相談してください」でいいんじゃないでしょうか。
提出先窓口は市、事業主体は県、取りまとめは独立行政法人、請求先は保険会社、運用は信託銀行と、関わる機関が多くなればなるほど認識にずれが生じて風通しが悪くなるという典型的なケースかと。
そもそも印鑑不要の時代に、死亡診断書の写しに原本証明なんて必要なんですかね。保険会社さん、ご検討ください。
ともあれ、市の窓口職員さんは丁寧に説明してくれて、とっても好印象でした。対応してくれる人が一人だとスムーズに事が進みます。行政の簡素化は必要だと実感したしだいです。(桐)
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