2025年5月6日(火)、おつかれさまです。
みどりの日の振替休日で連休最後の休日です。みなさんしっかり休めましたか?
私は、3~6日の4日間、旅行に行くこともなく、毎日昼寝をさせていただきました。毎日半日ぐらいは事務所に出て仕事をしてましたが、中途半端ですよね。睡眠だけは十分です。
さて、連休の間の後見業務について思ったことを少々書きます。
4月から成年後見の定期報告の書式が変わり、全国的に統一されました。その中に従来はなかった本人の意思確認についてという項があります。
第3 本人の意思確認について
1 「第2 これまでに行った後見等事務について」で記載した後見等事務の内容は、本人の意思に沿ったものですか。
□ ① 本人が表明した本人の意思に沿っている
□ ② 本人の意思確認が困難なため推定した本人の意思に沿っている
□ ③ 本人の意思が推定できないため、本人にとって最も良い方法を検討し判断した
□ ④ 本人の意思及び推定の意思と異なる判断をした
□ ⑤ その他(今後本人に説明する予定である等)
□ ⑥ 事務によって当てはまる選択肢が異なる
上記のいずれかに☑を入れて、次の設問で、どのように本人の意思確認をしたか、あるいは意思を推定したか、事務によって選択肢が異なる場合は選択肢ごとにどうしたか、等々を記入するようになっています。
本人の自己決定権を尊重するという趣旨なので、自分の事務を振り返るのにいい内容だと思うのですが、こうして裁判所の書式で問われると、改めて後見等事務って本当に悩ましいものだと思います。
たとえば連休の間にあった出来事でいうと、
(1)ケアハウスに被補助人Kさんを訪問したところ、電動歯ブラシとシェーバーを買ってきてほしいと言われ、購入して届けた。これは上記の①ですよね。
(2)特養に被保佐人Yさんを訪問したところ、欲しいものリストを見せられ、その中の一つ、腕時計のバンド交換について、時計屋に持ち込んで直して持参した。これも①でいいでしょう。
(3)長期入院中の被補助人Fさんから病院のFAXを使用して「欲しいものリスト」が届くので、全部ではないが100円ショップで購入して病院に持参した。これも①でいいでしょう。
ただし、Fさんからは賃貸住宅にある荷物をできる限り残すよう要望されていますが、膨大な荷物を保管するところがない、保管場所を確保する資金もない。必要最低限の荷物を残し、後は処分せざるを得ない。これは④でしょうね。
そもそもここまで書いて、被後見人等から頼まれて買い物に行くことは後見等事務の範囲なのかな? と疑問です。
ただ、家族・親族もおらず(いても相手にされず)、看護師・介護士に買い物を頼むわけにはいかないですから、誰かが行ってあげないと。
ご本人は、金銭を預かっている後見人等に頼まざるをえない。それを断ると、本人との信頼関係はなくなります。自分のお金を奪われているように感じてしまうでしょう。
(4)グループホームに入所している被保佐人Tさんの要望で、菓子パン、コーラ、コーヒー牛乳等の差し入れ。糖尿が心配なので、ようかんの要求は拒否し、コーラはカロリーゼロにしました。これは①でいいですよね、⑥にしなくても。
(5)誕生日プレゼントにとおねだりされて被保佐人Aさんに、WIーFIでの使用を条件にタブレットを購入したら、ひと月も経たないうちにSIMカードを買ってくれと電話がかかってきたので、約束が違うとお断りした。
断ったことは「これまで行った後見等事務」ではないと思うので、報告の必要はないと思いますが、本人の意思と異なる判断であることは間違いないです。
保佐とか補助の場合は本人からの要求を断らないといけないケースも多いと思います。要求通りにしていたら、多くの場合で経済的に破綻してしまいますし、これまでやりたい放題だった人生を少しは振り返ってもらわなければなりません。
家族・親族が存在していても縁切り状態のため、第三者後見人に回ってくる事案が多いのですが、それはご本人の生活態度や経済感覚に問題があるケースも非常に多いのです。
自己決定権の尊重も大事ですが、財産管理する者としての責任も大事です。時にご本人を説教することも必要だと思っています。そうしないと、自己決定権を尊重しすぎると、在宅の方なんか電気もガスも止められてしまいますから。
この連休、なんだかこんな雑用ばっかりです。(桐)
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