固定資産税等の減免と滞納処分の執行停止
2025年5月8日(木)、おつかれさまです。
生活保護を受給している方のすべてが固定資産税や下水道料金の減免措置を受けられるわけではありません。減免の割合や要件は自治体によって異なります。
倉敷市の場合、生活扶助を受けていることが要件です。保護受給者であっても医療扶助、介護扶助、住宅扶助などではだめで、あくまで生活扶助を受けていることが要件です。
国民年金受給者が年金額だけでは最低生活費に届かず、不足分を生活扶助で受けているケースはとても多いです。
実際の話ですが、生活扶助として2か月に1回数百円受けていた方がいます。この方にとって最も必要なのは医療扶助で、生活扶助はおまけのようなものです。
年金額の改定は毎年4月に行われます。この方の場合、生活扶助は2月までわずかに出ていたのですが、4月に年金額が少々増えて、その結果生活扶助が出なくなりました。
毎年市役所から送られてくる固定資産税の通知書には減免申請書が同封されていたのですが、今回はそれがない。おかしいなと思ったら、生活扶助がなくなり減免は使えず、税額77,000円を払えとのことです。
驚きです。去年までは免除されていたのに、数千円の年金アップで数百円の生活扶助がなくなり、その結果、数万円の納税義務が発生するという信じられないパターンです。
年金がわずかばかり増えて大損をする、逆ザヤ現象です。こんなことなら年金なんかもらわない方がいいと嘆いておられました。
でもご安心を。
地方税法第15条の7(滞納処分の停止の要件等)
地方団体の長は、滞納者につき次の各号のいずれかに該当する事実があると認めるときは、滞納処分の執行を停止することができる。
一 滞納処分をすることができる財産がないとき。
二 滞納処分をすることによつてその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき。
三 その所在及び滞納処分をすることができる財産がともに不明であるとき。
ちなみに執行停止は、その執行の停止が3年間継続したときは、時効により納税義務が消滅するそうです。(桐)
| 固定リンク
「法律豆知識・登記実務」カテゴリの記事
- 不在者財産管理と口座解約(2)(2025.05.24)
- かんぽの特殊性(3)(2025.05.20)
- かんぽの特殊性(2)(2025.05.15)
- 固定資産税等の減免と滞納処分の執行停止(2025.05.08)
- 解体移転と曳航移転(2025.05.07)
コメント