かんぽの特殊性(2)
2025年5月15日(木)、おつかれさまです。
5月ももう半分が終わっちゃいました。母の日のカーネーションとミニバラがまだきれいです。
さて、昨日の話の続きです。
昨日の記事は、かんぽ(簡易生命保険)は、通常の生命保険契約と異なり、指定された死亡保険金の受取人が被保険者よりも先に死亡した場合は、受取人の法定相続人ではなく、被保険者の遺族に受け取る権利があると、簡易生命保険法で定められているというものでした。
指定された死亡保険金の受取人が先に死亡すると、受取人の指定が無かったものとみなされるわけです。もう一つ、死亡保険金の受取人に被保険者自身が指定されているケースもあります。
自分の死亡保険金を死んだ自分が受け取るなんてありえないのですが、契約時に死亡保険金の受取人を誰かに決められないと場合に、とりあえず自分自身を受取人としておくという方法が用いられたようです。
Fさんは、配偶者と離婚協議が成立しないため20年近く別居中で、遺言でも配偶者を相続人から排除して子に残すとしながら、配偶者の遺留分をなくす方法はないのかと、私に相談されるぐらいの破綻した夫婦関係でした。
とりあえず自分を受取人にしたけど、その場合配偶者が受取人になるという知識と、配偶者に保険金を残そうという意図があったかというと、本人を知る人間としては絶対に否です。
受取人を子にしなかったのは、子が2人いて、どちらか一方に決めるわけにいかなかったからです。この場合、配偶者が生存していれば、死亡保険金は被保険者の意思とは逆に、一番財産をやりたくない配偶者が受け取ることになります。
今回の件では、配偶者が先に亡くなっていたので、2人の子で預貯金も死亡保険金も折半する方針です。もし配偶者が生存していれば、「そんなつもりじゃなかった」と後悔するところですね。
かんぽの死亡保険金の遺族の受領権限については、他の保険会社と同様に相続で扱うべきではないかと思うのですが、それには法改正が必要です。(桐)
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