2025年6月17日(火)、おつかれさまです。今日はもう1本書くので、お付き合いください。
ある病院からの相談です。入院患者の息子さんが親の年金を使い込んで入院費を払ってくれない。息子さんの携帯は止められていて訪問するしかないが、行ったところでお金がないことには変わりがないので、どうしたものかと。
病院のケースワーカーはここまでしなきゃいけないのかと思いながらも、同情半分でお引き受けして、年金支給日の午前8時30分にケースワーカーと一緒にご自宅を朝駆けしました。
生活保護の申請をしたらしいと聞いていたので、事前に福祉事務所の調査担当に連絡して、親子の世帯分離を検討してもらうことをお願いしておきました。
そして、自宅に行ってみて息子さんと話をしてみると、なかなか要領をえない。意思疎通はできるけど、ちょっと不安。車はガス欠で動かないらしい。
年金を一定額下して未払入院費の一部に充当するようケースワーカーに助言し、法テラスの民事法律扶助を使って、意思能力のない入院中の親には成年後見人をつけることにして、息子さんには各種委任状に署名押印してもらい、その日は終了。
昨日私が不在のときに、息子さんが相談したいと事務所に来られたとのこと。気になって今日家に行ってみると、携帯電話料金の滞納が10万円以上あるという話。いやいや申し訳ないけど、お金を貸すことはできません。
床の上に転がっていた息子さんの残高ゼロの通帳を拝見すると、半年ほど前まで給料の振り込みがある。失業保険はもらっていないのかと聞くと、そんなのはもらっていないとのこと。
法テラスの手続上、離職票の写しが必要なので、とりあえずハローワークに行ってみようと誘い、同行したのですが、窓口職員さん曰く「離職票は提出されていて失業給付の申請はされている、ただ認定日に来られていない」と。
本人に聞くと「来いと言われた日にガソリン代がないから行けなかった」。これで消滅した失業給付金は合計でなんと約70万円。これだけもらえていれば、親の年金に手をつけることもなかったでしょうに。
ご本人の話を聴くと、ガソリンスタンドで100円分入れてくれと言ったら入れてくれなかったとか、近所の中華料理屋が月2万円分まではツケで食べさせてくれるとか。
今日だって私が家に行ったときは、路上でガス欠で車が動かなくなっていて、銀行に行こうと思ったのだとか。ガス欠だって自分で言ってたのに、銀行まではいけるかと思ったらしい。しかたないから押しました。
貧困っていうのは、こういうふうに当事者がもう少ししっかりしていればなんとかなるケースもあるのですが、そうは言ってもしっかりしていないのだからしかたない。しっかりしていないのを責めたところで、誰のためにもならない。
今日は、誰かが一歩踏み込んでみると解決方法が意外とあったりして、という体験談でした。まあ、それでも本人がしっかりしていないことに変わりはないので、継続的な世話焼きが必要なのですが・・・それにしても70万円はもったいない。(桐)
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