生活保護・自殺・人権

2020年7月11日 (土)

今月3回目の保護申請

 2020年7月11日(土)、おつかれさまです。昨日の業務日誌です。

 当事務所から車で約50分走って、山間の某市役所で生活保護申請。今月は10日で3件というハイペースで保護申請をしています。

 コロナの影響ではありません。微妙な言い方ですが、私の「客層」と言ってもいいのかな? 困っている人の役に立つことはいいことだと思っていますし、もともと貧困層の方からの相談が多いので。

 今日もあいにくの雨、九州のように豪雨というほどではないけれど、降ったりやんだり、晴れ間が見えません。

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 こういうのは、雲? 霧? 靄(もや)? 何といえばいいんだろう。霞(かすみ)ではないですよね。

 今日はこの水蒸気が空から降りてくるというよりは、森の中から湧きあがったように見えたのですが。

 山中にある介護保険事業所を訪問して、一株だけ野生のききょうを発見しました。

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 話を戻しますが、ご本人は、私の顔を見ると、「お金を貸してもらいたいんだけど」と頼んできます。本当に言いにくそうに頼むのです。今日は頼むのも涙を流しながらでした。

 生活費はヘルパーさんに預けていますが、彼の頭の中では、(人からお金を渡されること=お金を借りること)であって、何度自分のお金だと説明しても、すぐにリセットされて「貸してほしいんだけど」となってしまいます。

 6月1日付でいったん保護を打ち切られて、私も右往左往しました。某市への申請は、この方の件では実に3回目です。1回目は認められてすぐに移管。2回目は居住の事実がないと却下されて、今回は条件を整えて再申請です。

 保護が認められて生活資金が安定すれば、私も月2~3回、半日つぶしてドライブする必要がなくなります。今回は、たぶんうまく行くでしょう。

 懸案の一つはおそらくこれで片が付いたと思います。残るは私の地元の案件で、一時扶助が認められなかったことについての行政との闘いです。勉強しないと勝てませんから、がんばります!(桐)

 

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2020年7月 8日 (水)

リバースモーゲージと生活保護申請

 2020年7月8日(水)、おつかれさまです。

 みなさん、昨晩は眠れましたか? 多くの倉敷市民は、深夜2時過ぎの【避難勧告レベル4】のエリアメールのおかげで少し睡眠不足になったかもしれません。

 我が家でも、夜中に家族5人の携帯やスマホが一斉に鳴るんですから、そりゃたいへんな騒ぎです。今朝は朦朧とした頭で出勤しましたが、被災した方々のことを思えば、この程度のことは・・・。

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 昨日、母親が退院して、実家の金瓜(まくわうり)とキウイフルーツをいただきました。今年の初物なのでアップしておきます。金瓜はなかなか美味しかったです。 

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 さて、今日の業務は、午前は生活保護の申請同行、午後は財産管理契約を締結している当事者の施設見学、夕方に事務所に帰ってからたまった事務作業。

 社会福祉協議会のリバースモーゲージってご存知でしょうか。所有している不動産を担保に、毎月一定額の生活費を借りることができ、貸付金額が極度額いっぱいになると、貸付を止められます。

 後はご本人が亡くなるまでの間、生活保護を受給するしかありません。そして、亡くなった後に担保権者である社協が不動産を競売にかけて貸付金を回収することになります。

 最近は、不動産業者が住宅を買い取って、元所有者がその売買代金で住宅ローンを返済し、新所有者である不動産業者に家賃を払って居住を継続するリースバックという方式が流行っています。

 リバースモーゲージとリースバックは似ているようで目的が全然違います。

 リバースモーゲージは、収入の少ない方が自己所有住宅への居住継続を希望する場合に、住宅を担保に入れて生活費を調達する方法。生活保護を受けるべき方がその前段階として使うことが多いと思います。

 リースバックは、収入減等の要因により住宅ローンを含めた債務の支払いが困難になった方が居住継続を希望する場合に、所有権を賃貸借に変えて居住を続ける方法。債務整理の一方法とも言えます。

 今日の生活保護申請は、リバースモーゲージの貸付金額が満額となり、余生を生きていくために生活保護申請せざるをえなかったケースです。勉強になります。(桐)

 

 

 

 

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2020年6月29日 (月)

基準額引き下げ訴訟 名古屋判決

 2020年6月29日(月)、おつかれさまです。蒸し暑いですね。マスクしていると息苦しいうえに、口の周りが蒸れてかゆくなります。

 以前ヘルペスと診断されたのですが、マスクのせいで体調不良になりそうなので、人との距離があるところではマスクはしません。「マスク警察」の皆様には、このような事情もご配慮いただきたいところです。

 さて、話は変わりますが、写真は26日の山陽新聞の記事です。25日名古屋地裁は、2013~15年の生活保護費の基準額の引き下げが、生存権を規定した憲法25条と生活保護法8条に違反するとしていた、原告らの請求を棄却しました。

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 この判決について、BuzzFeed JAPAN の木村草太教授へのインタビュー記事が参考になるので、ぜひ多くの方に読んでもらいたいと思います。

 生活保護法8条2項は、基準を定めるときに考慮すべき事項を、「要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情」と定めています。原告は、2013年の基準改定で「国の財政事情、国民感情、政権与党の公約」を考慮して基準を定めることは、違法・違憲だと主張しました。〈国の財政事情が悪くなったり、政権与党が基準引き下げを公約したりすれば、より少ない金額で従来と同レベルの生活が可能になる〉という事実関係があるなら話は別ですが、そんなわけはないでしょう。「国民感情」についても同様です。これらの事柄が生活保護法8条2項で定められている「保護の種類に応じて必要な事情」に該当しないのは明らかです。ところが、裁判所は、原告らの主張は採用できないとして、国民感情や政権与党の公約を考慮して基準を定めてもよいとしました。

 以下の部分はさらに説得力があります。


 2013年の基準改定は、1.一般低所得世帯(一般世帯を所得順に10のグループに分けたうち、最も所得の低いグループ)の平均支出額をベースに、2.前回基準決定後のデフレによる物価下落率を掛け合わせて決定されました。1は「ゆがみ調整」、2は「デフレ調整」と言われています。原告らは、1.ゆがみ調整については、そもそも、「一般世帯」とのバランスが問題なはずなのに、一般低所得世帯と比べるのは不合理だ、と主張しました。日本では、最低限度の生活ができておらず、本来なら生活保護を利用できるにもかかわらず、実際には生活保護を利用していない人がかなりいます。つまり、一般低所得世帯には、最低限度未満の生活をしている人(生活保護を受けられるのに、受けていない人)が多数含まれている。一般低所得世帯の消費支出を最低限度生活の基準としたのでは、〈最低限度の生活〉の内容は際限なく切り下げられることになるでしょう。2.デフレ調整はさらに問題です。消費支出は、物価に連動します。つまり、生活に必要な物はそう簡単には減りませんから、消費支出が下がったということは、物価が下落しているということです。消費支出の動向を基準に生活保護の金額を決定すれば、そこには物価の下落はすでに反映されているはず。一般世帯の消費支出の低下を反映して基準額を算定した後で、さらにデフレ調整を行うのは、物価下落の二重計上になります。


 「国民感情」を基準額算定の根拠にするのは根本的な誤りですが、生活保護バッシングをする側の感情を国民感情ととらえてしまうのも一面的です。

 成年後見業務を多く、かつ長くやっていると、生活保護基準の引き下げが福祉の現場に多大な影響を与えている事実を目の当たりにします。 特に困るのは、入所施設の選定です。

 私は、各種の介護施設の中で、本人に身体的精神的にある程度のレベルがあれば、認知症対応型のグループホームがベストだと思っていますが、生活保護受給者を受け入れてくれるグループホームは少なくなりました。

 入院・入所者の生活扶助額には全く余裕がありません。真面目に生活している大多数の生活保護受給者の現状を正確に知れば、果たして健康的で文化的な最低限度の生活を営むことのできる水準かどうか、そういう疑問を感じながら、毎日の仕事をしています。(桐)

 

 

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2020年6月 1日 (月)

居住地保護 現在地保護

 2020年6月1日(月)、おつかれさまです。

 今日から中学、高校がほぼ3か月ぶりに再開されました。夏休みよりはるかに長かったんですね。うちの子はもうゲームにどっぷり浸かってしまって・・・。

 さて、今日は生活保護の実施責任について。

 保護の実施責任は、要保護者の居住地又は現在地により定められるが、この場合、居住地とは、要保護者の居住事実がある場所をいうものであること。

 なお、現にその場所に居住していなくても、他の場所に居住していることが一時的な便宜のためであって、一定期限の到来とともにその場所に復帰して起居を継続していくことが期待される場合には、世帯の認定をも勘案のうえ、その場所を居住地として認定すること。

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 事務次官通知ですが、これに関する困難事案で悩んでいます。被後見人の施設退所に伴い、私が保護を受けていたA福祉事務所と事前に相談・協議を怠り、ケアマネに任せていたら保護を廃止されてしまいました。

 緊急対応として帰来する予定であった住民票上の住所地のB福祉事務所に保護申請していたのですが(次官通知の「なお書き」の部分です)、今日になって居住実態がないという理由で却下される可能性があると指摘され、保護を廃止した現在地のA福祉事務所に再度本日付で申請したところです。

 B福祉事務所によれば、廃止したA福祉事務所の判断がわからない。A福祉事務所とすれば帰来地がはっきりしていたのだから廃止したのは当然、廃止後に帰来地に帰らなかっただけのこと。

 居住地保護か現在地保護かという問題ではなく、居住地認定ができるのかどうかという問題?

 そんなビミョーな事案でどう処理していいかわからない状態になっています。不服申し立てかなあ? 難しそうな気がするなあ? 事案が整理できて過去の問題となったときに、詳細は改めて書きたいと思います。

 まあ、一番の反省は、事前にちゃんと相談しておくべきだったということ。最近、生活保護関係で自分の経験不足というか、勉強不足が次々に露呈しています。

 うーん、経験不足というと語弊がありますかね。ケースワーカーもみんな「こんなの初めて」を連発しているので。(桐)

 

 

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2020年5月27日 (水)

生活保護受給中のみなさまへ(お知らせ)

 2020年5月27日(水)、おつかれさまです。今日も暑かったですね。

 社会福祉事務所から被保佐人宛に手紙が届いていました。内容は次のとおり。

生活保護受給中のみなさまへ(お知らせ)

○特別定額給付金の取扱いについて

 この給付金は、「感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う」もので、一律に一人10万円が給付されることから、収入として認定しません。

○令和2年度子育て世帯への臨時特別給付金の取扱いについて

 この給付金は、「新型コロナ感染症の影響を受けている子育て世帯を支援する観点から、児童手当を受給する世帯(0歳~中学生のいる世帯)に対し、支給する」ものであることから、収入として認定しません。

○特別定額給付金・令和2年度子育て世帯への臨時特別給付金の使い方などについて

 この給付金の使い方については、「保有の認められない物品の購入など使用目的が生活保護の趣旨目的に反する」ことのないようにしてください。

 たとえば、土地・自動車など資産の取得に使うことなどは認められません(くわしくは、地区担当者におたずねください)。

 なお、これらの給付金は、令和2年夏以降に発送する申告書で申告していただく予定です。

 収入としては認定しませんが、計画的な消費に努めてください。

 すべて至極当たり前のことが書かれています。しかし、当たり前には、「言うべき当たり前」と「言わなくてもいい当たり前」があるように思います。

 収入認定しないことは「言うべき当たり前」です。「10万円もらったら保護費が削られるから申請しない」というような誤解が生じることは避けなければなりません。

 ただ、使い方についての部分は、わざわざこんなことを書く必要があるのか疑問です。土地や自動車を購入できないのは当たり前のことで、保護受給者は普段からそう指導されています。

 「10万円で土地が買えるか!」「言われんでもわかっとるわい」「すっごく上から目線」というような声が聞こえてきそうです。少なくとも私がその立場だったら腹を立てると思います。

 「言わなくてもいい当たり前」を言うことで、自らの現状を良しとしていない人々のプライドを傷つけているのではないかと感じます。

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 本日、生活保護手帳2019年版を購入しました。これまで使っていたのは2011年版で、さすがにちょっと古すぎました。

 11月まで待てば2020年版が出版されたのでしょうが、早急に理論武装しないといけない案件が2件あるので、これから勉強します。(桐)

 

 

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2019年10月26日 (土)

今日の相談者は45組

2019年10月26日(土)、お疲れ様です。

倉敷市主催の「生きるを支えるフォーラム」に参加してきました。盛況でした。

上映されたドキュメンタリー映画「牧師といのちの崖」 に圧倒されました。

相談会の準備があって加瀬澤監督の話を聞けなかったのが残念です。

ところで、コラボ企画の「こころと法律の相談会」のほうも盛況で、今年は45組の相談者でした。

相談会が盛況ということはそれだけ悩みを持った方が多いということで、決して喜ばしいことではないのですが、少しでもお役に立てたのであれば幸いです。

相談員の弁護士さん、司法書士さん、準備と片付けと案内係を引き受けてくれた保健所のみなさん、ありがとうございました。(桐)

 

 

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2019年10月25日 (金)

こころと法律の無料相談会

2019年10月25日(金)、おつかれさまです。

明日、「こころと法律の無料相談会」です。

10月26日(土)13時~17時

くらしき健康福祉プラザ(笹沖180番地)

主催)岡山弁護士会・岡山県司法書士会

 

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2019年3月 7日 (木)

3月は自殺予防強化月間

 2019年3月7日(木)、おつかれさまです。公立高校受験生のみなさん、筆記試験おつかれさまでした。明日の面接試験は自然体で臨んでください。遅刻だけはしないようにね。

 さて、一昔前は当事務所でも3つの相談テーブルがフル稼働するほど忙しかった債務整理事件ですが、最近は本当に少なくなりました。
 
 テレビコマーシャルをしている大手の弁護士法人や司法書士法人に集中しているのもあるとは思いますが、全体の事件数が大幅に激減していることは間違いないでしょう。
 
 改正貸金業法が完全施行されたのが平成22年6月。年利29.2%という高金利が生み出した異常なサラ金天国は、グレーゾーン廃止や過払バブルによって終焉し、最近の債務整理事件は取引当初から法定金利内の契約です。したがって過払はまずありません。
 
 ところで、「3月は自殺予防強化月間」ということで、本日、倉敷市保健所、心ほっとサポーター、倉敷市議有志、弁護士会、司法書士会などの団体が合同で駅頭で啓発活動をしました。私も午後6時から倉敷駅前でのティッシュ配布に参加してきました。
 
 自殺者数の統計を見ると、年間3万人を超える自殺が発生していた年代は、まさにサラ金とパチンコ屋の時代でもありました。私の依頼者にも精神を病んで自ら命を絶った方がいましたが、あの頃取り組んだ金利引き下げ運動は大きな成果を上げたのだと、今になって感じています。
 
 今日、久々に、消費者金融でお金を借りられなくするにはどうしたらよいかという相談がありました。貸金業協会に貸付自粛制度というのがありますから、試してみてはいかがでしょうか。ただ、ギャンブル依存は一種の病的症状なので治療が必要だと思います。(桐)
 
 
 
  

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2018年10月27日 (土)

相談のニーズはいっぱい

 10月27日(土)、おつかれさまです。

 本日は、毎年10月に開催される倉敷市主催の「生きるを支えるフォーラム」、これとセットで行う「こころと法律の相談会」(岡山弁護士会・岡山県司法書士会共催)が盛況でした。

 相談件数はまだ集計ができていませんが、事前予約だけで31件、当日受付も含めれば40件に近い相談件数だったと思います。3名の弁護士と13人の司法書士がほぼフル稼働でした。

 順番待ちでずいぶんお待たせしてしまった相談者の方々、申し訳ありませんでした。来年は弁護士の増員が必須だと思っています。宜しくお願いいたします。

 相談者が多かった要因は、以前やっていた町内会の回覧板を利用しての告知を復活させたことが大きいです。広報がしっかりできさえすれば、「こころと法律の相談」にはニーズがいっぱいあるということが証明されました。

 相談時間を従来から変更して、生きるを支えるフォーラムの前半に参加した後、相談に来てもらえるように組んだのもよかったです。

 職場の問題、地域の問題、家族の問題、様々な周囲との関係の中で生きづらさを感じている方々にとって、少しでもお役に立てればうれしいと思います。(桐)

 

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2018年10月25日 (木)

生きるを支えるフォーラム

 10月25日(木)、おつかれさまです。

 今日、真備町のある物件の固定資産税評価証明書を請求したのですが、評価減免の作業中につき一時交付できない状態でした。結局、減免前の評価証明書をとりましたが・・・・、どれぐらい評価は下がるんでしょうね。

 さて、話は変わって、今朝の山陽新聞の記事からです。

 「岡山いのちの電話協会」によると、2017年の自殺に関する相談受理件数は1794件。過去最高だった前年の2317件から2割減ったものの、24時間体制での電話相談が始まった1994年以降で3番目に多かったとのこと。依然として自殺関連の相談件数は高水準です。

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 生きるを支えるフォーラム 10月27日(土)13時~16時
 くらしき健康福祉プラザにて開催です。司法書士会も協力しています。ご参加ください。(桐)
 
 
 
 

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